引っ越しの時期で、もらえる額は変わるの?

ママ

第一子の出産を控えて住まいを探してるんだけど、引っ越すなら出産の前か後かでずっと迷ってるの。

ママ

そもそも母子健康手帳って、引っ越したら作り直しになるの?

パパ

作り直しは要らないよ。しかもこれは東京都だけの話じゃなくて、国が通知で決めていることなんだ。厚生労働省の法令等データベースに載っている「母子健康手帳の作成及び取扱い要領について」(平成3年10月31日児発第922号)は、「他の市区町村に転居する場合」について、「転入先の市町村においては、この者について母子健康手帳交付台帳に登録し、母子健康手帳第一ページの保護者の居住地を現居住地に訂正する」としてる(厚生労働省)。今持っている手帳の住所欄を転入先が直して、そのまま使い続けるという扱いだね。

手帳を出し直すのは、同じ要領が「やむを得ない事情により手帳の紛失、汚損等があったとき」に再交付すると書いている場面だけ(厚生労働省)。引っ越しは再交付の理由に入っていないから、都外へ出るときも都外から入るときも、手帳はそのまま持っていけばいいよ。

パパ

区の案内も国の扱いどおりだよ。葛飾区は転入したときの案内で、母子健康手帳について「お持ちのものをそのままお使いください」と公表してる(葛飾区)。

転出する側から書いてる区もあって、世田谷区は「母子健康手帳(親子健康手帳)は、引越し後もそのまま使用できます」としてるよ(世田谷区)。転入する側からも転出する側からも、国の通知と同じ案内になってるんだ。

手続きが要るのは妊婦健康診査の受診票のほうなんだけど、それは後でまとめて話すね。

ママ

じゃあ、引っ越す時期でもらえるお金って本当に変わるの?

パパ

変わるよ。しかも数千円の話じゃなくて、十万円単位で変わることがあるんだ。

いちばん分かりやすいのが東京都の赤ちゃんファースト。都の事業チラシには給付額が13万円相当と書かれていて、「これまでの10万円相当の赤ちゃんファーストギフトに加えて、赤ちゃんファースト+(プラス)として3万円相当の支援を実施します」と説明されてるよ(東京都福祉局 事業チラシ・PDF)。

対象者の要件は2つ。令和7年4月1日以降に出生していることと、「子供の出生日時点の住所が都内にあること」の2つだよ(東京都福祉局)。住んでいる区がどこかではなくて、都内かどうかで決まるんだ。

パパ

上乗せ分の赤ちゃんファースト+(プラス)は対象期間が別で、「令和8年1月1日以降令和9年3月31日までの間に子供が出生」していることと、出生日時点の住所が都内にあることが要件だよ(東京都福祉局)。今年の出産なら、10万円相当と3万円相当の両方が視野に入るね。

つまり都外へ引っ越す予定があるなら、転出日が出産予定日の前になるか後になるかだけで、この13万円相当の対象かどうかが分かれるんだ。

ママ

住民票を移した日が数日ずれただけでも変わっちゃうの?

パパ

制度が出生日時点と書いてる以上、そうなるんだよ。しかも厄介なのは、この線の引き方が制度ごとにバラバラなこと。同じ世帯でも、Aの給付は転居前の自治体から、Bの給付は転居後の自治体から出る、ってことが同時に起こるんだ。

だから引っ越すと損でも得でもなくて、どの制度がどの型なのかを1つずつ照らし合わせるしかないんだよ。ここから順に見ていこう。

そもそも、いつの住所で決まるの?

ママ

「いつ時点の住所か」って、制度ごとにそんなに違うものなの?

パパ

違うんだ。この記事で確認していく国・都・区の要件を並べると、大きく4つの型に分かれるよ。下の表にまとめてみたね。

基準日の型 何を見るか 影響を受ける引っ越しのタイミング
申請・届出の時点 申請や届出を受理した時点の住所 妊娠中の転居
出生日時点 子どもが生まれた日の住民登録 出産の直前・直後の転居
一定期間の継続居住 申請日を起点に「◯年以上」住んでいるか 転入直後の出産
各月1日時点 毎月1日にどちらに住んでいたか 時期を問わずすべての転居

パパ

自分たちの引っ越し予定日がどの型に引っかかるかを先に把握しておくと、確認すべきことが絞り込めるよ。たとえば妊娠中に転居する場合、申請や届出を不備なく済ませてから出れば、その給付は転出元から出る。一方で出生日時点を見る給付は、生まれた日にどこに住民登録があったかで判定される。1つの世帯でも支給元が制度ごとに分かれるから、引っ越したら全部がまるごと新しい自治体に切り替わる、とは思わないでね。

妊娠中の引っ越しで、給付金はどっちの自治体から?

ママ

妊娠届を出したあとに引っ越したら、5万円の給付はどうなるの?

パパ

国の妊婦のための支援給付は、妊婦給付認定後に5万円、妊娠しているこどもの人数の届出後に人数×5万円、という2回に分かれてる(東京都福祉局)。第一子なら合計10万円だね。

そしてこの制度は、妊娠中に引っ越した場合の扱いを国が答えとして公表してるんだ。こども家庭庁が出してる自治体職員向けQ&A(令和7年10月10日更新版)に、転出のタイミングごとの取り扱いがはっきり書かれてるよ(こども家庭庁)。

ママ

1回目の5万円をもらう前に引っ越したら、どうなるの?

パパ

申請が不備なく受理されていれば、認定日までに転出しても転出元の自治体が支給するんだ。Q&Aに「申請や届出が受理できたものは認定日までに転出しても転出元自治体が支給する」取扱いとしています、とはっきり書かれてるよ(こども家庭庁 自治体職員向けQ&A・PDF)。

パパ

ただし同じQ&Aに「申請に不備があり再申請や不備の修正を求めている間に転出した場合は、受理したものとは認められない」とも書かれてる(こども家庭庁 自治体職員向けQ&A・PDF)。だから申請は不備なく出し切ってから引っ越すのが安全だね。

ママ

2回目はどうなるの? 引っ越し先でまた申請するの?

パパ

そうなるよ。Q&Aでは2回目について「最初の胎児の数の届出まで:転出元」と整理されてる(こども家庭庁 自治体職員向けQ&A・PDF)。届出を出す前に引っ越せば転入先から、出したあとに引っ越せば転出元から、ということだね。

パパ

心配なのは、1回目をもらったのにまた申請したら二重取りになるんじゃないか、ってところだよね。そこは調整されてるよ。Q&Aには1回目を受け取ったあとに転出した場合について「返金を求める必要はありません」と明記されていて、転入先は「転出元で支給された給付金の額を控除した額を支給することになります」と書かれてる(こども家庭庁 自治体職員向けQ&A・PDF)。

だから合計10万円という枠は変わらなくて、支払う自治体が1回目と2回目で分かれるだけ。ここは引っ越しで損をしない部分なんだ。

ママ

国のぶんとは別に、区がくれるギフトもあるって聞いたけど?

パパ

あるよ。都は「区市町村において、保健師等の専門職による面接を受けた妊婦に対して、1万円分の育児パッケージ(子育て用品等)を提供する取組です」と公表してる(東京都福祉局)。

ポイントは、これが面接を受けた区市町村から渡されるものだってこと。妊娠中に転居するなら、面接をどちらで受けたかで渡し元が決まるんだ。中身も一律じゃなくて、都自身が「区市町村ごとにギフトの内容が異なるため、詳細は区市町村にお問い合わせください」と書いてるよ(東京都福祉局)。

出産の直前・直後に引っ越すと何が起きる?

ママ

出産のすぐ後に引っ越したら、出産のお祝い金は引っ越し先からもらえるの?

パパ

出生日時点を要件にしてる制度は、引っ越し先では受け取れないんだ。

分かりやすいのが目黒区の新生児誕生祝金で、新生児1人につき2万円。対象は「令和5年4月1日以降に出産し、かつ、出生日において出生した子どもを含む住民登録が目黒区にある世帯」だよ。しかも「お子さまが生まれた後に、目黒区へ転入された世帯は目黒区新生児誕生祝金の対象外です」と明記されてる(目黒区)。

つまり出生日時点で他区にいて、その2週間後に目黒区へ転入した場合、目黒区の2万円は対象外という結論になるね。

ママ

逆に、目黒区で産んでからすぐ引っ越す場合はどうなの?

パパ

そっちも要注意なんだ。目黒区の要件はもう1つあって、「出生通知票を提出し、かつ、目黒区が受理した日において出生した子どもを含む住民票が目黒区にある世帯」となってる。申請期限は出生日から3か月以内だよ(目黒区)。

この2つを突き合わせると、出生日に目黒区にいても、出生通知票を出す前に転出してしまうと2つ目の要件を満たせなくなる。産んだらまず出生通知票を出す、それから引っ越すという順番にしておけば取りこぼさないね。

ママ

赤ちゃんファーストは、生まれたあとに都外へ出たらどうなるの?

パパ

要件が出生日時点の住所だから、そのあと都外へ転出しても対象であること自体は変わらないよ。都のFAQもギフトカード到着後に都外へ転居した場合について「都外に転居された後も、カードのご利用は可能です。」と答えてる(東京都福祉局 よくあるFAQ・PDF)。変わるのは手続きのほう。

赤ちゃんファーストはふだん018サポートと同時に申請できるんだけど、都は同時申請の対象外になる場合として「転出入で018サポートとの同時申請の対象外となる方等」を挙げていて、その場合はそれぞれのHPで申請してくださいと案内してる。申請期限は令和7年度に生まれた子が令和8年9月15日、令和8年度に生まれた子が令和9年9月15日だよ(東京都福祉局)。生まれてから引っ越しが続くと忘れやすいから、日付を控えておこう。

「1年以上住んでいる」って、そんなに大きい?

ママ

「1年以上住んでいること」って条件、たまに見かけるけど大したことないよね?

パパ

これがいちばん金額の大きい落とし穴で、最大31万円が関わるよ。

千代田区の出産費用助成は、出産費用の自己負担分を1度の出産につき最大31万円まで助成する区独自の制度。要件は「出産日以前から区内に住所を有し、かつ申請日時点において引き続き1年以上区内に住所を有すること」と公表されてる(千代田区)。

港区の出産費用助成も最大助成額31万円(1人の出産の場合)で、「保護者が出産した日以前から出産後も港区に住所があり、申請日において引き続き1年以上港区に居住していること」が要件だよ(港区)。

ママ

親が1年以上住んでいれば、子どものほうは何も要らないの?

パパ

それが要るんだ。千代田区は対象者の要件のひとつに「出生日から対象者の住所に出生児の住民登録があること」を挙げてる(千代田区)。

港区も「産まれた子どもも出生日から港区に住所があり、保護者と同居していること。」としてるよ(港区)。

つまり親の居住年数を満たしても、出生日の時点で子どもの住民登録がその区にない形になると、この31万円は成り立たない。産後すぐに転居するつもりなら、出生届と転入届の順番まで含めて日程を組んでおいてね。

ママ

出産の3か月前に引っ越したら、それはもう無理ってこと?

パパ

無理とは限らないんだ。「1年」を数える起点が申請日だから、申請を後ろ倒しにすれば要件を満たせる場合があるんだよ。

千代田区はこれを明文で公表してる。「出産した時点で1年以上区内に住所を有していない場合、引き続き区内に居住し、1年間を過ぎた時点から申請をすることが可能です」とあって、「令和7年3月1日に千代田区に転入し、令和7年4月1日に出産した方の場合」は「区内での居住期間が1年を経過した時点(令和8年3月1日)から申請が可能です」という具体例まで載ってる。申請期限は出産の日から2年間だから、出産の1か月前に転入しても計算上は間に合うね(千代田区)。

ママ

港区も千代田区と同じように、後から申請できるの?

パパ

港区のページには、要件と申請期限は書いてあるけど、1年経ってから申請してよいという明示は見つけられなかったんだ。書かれているのは「保護者が出産した日以前から出産後も港区に住所があり、申請日において引き続き1年以上港区に居住していること」と、「出生日から1年以内に申請してください」の2つだよ(港区)。

この2つを突き合わせると、出産の3か月前に転入した場合、継続居住が1年に届くのは出生からおよそ9か月後。申請期限にはまだ3か月ほど残ってる計算になるよ。

パパ

ただし後ろ倒し申請を認める記載は、港区の出産費用助成のページにも、港区のよくある質問「出産費用の援助について知りたい。」にも見当たらなかったんだ(港区 よくある質問)。この2本を確認したうえで公表が見つからないから、ここは計算上の話に留めておくね。転入を決める前に、港区の子ども給付係に確認してみて。

ママ

1年待ってる間に、また引っ越したらどうなるの?

パパ

それは要注意だよ。千代田区は「区外転出されるご予定のある方は、必ず転出前に申請をしてください。転出後に申請をすることはできません」と明記してる(千代田区)。港区も出産後も港区に住所があることが要件だから、途中で出ていくと成り立たないんだ。

つまりこの型の制度は、転入から申請までずっと住み続けることが前提。数十万円が動く話だから、住まいを決める段階で、ここに1年以上いるつもりかどうかを先に決めておくといいよ。2区の要件を並べると、こんな形になるね。

自治体 制度 助成額 「1年」の起点 出典
千代田区 出産費用助成 1度の出産につき最大31万円 申請日時点において引き続き1年以上区内に住所 千代田区
港区 出産費用の助成 最大31万円(1人の出産の場合) 申請日において引き続き1年以上港区に居住 港区

パパ

表のとおり、どちらも「1年」を数える起点は申請日。だから転入が遅れても、申請をいつにするかで結論が動くんだ。そしてどちらも出産費用の自己負担分に対する助成だから、国の出産育児一時金に上乗せするかたちだよ。一時金のほうは「公的医療保険の加入者が出産したとき、お子さん1人につき原則50万円がご加入の保険者から支給される制度です」と説明されてる(厚生労働省)。

ママ

一時金は健康保険から出るなら、引っ越しは関係ないってこと?

パパ

そこは入ってる保険で分かれるんだ。厚労省は「出産した時点で加入している保険者に申請してください」としたうえで、「被用者保険にご加入の方は、ご加入の保険者(協会けんぽ、健康保険組合など)にお問い合わせください」「地域保険にご加入の方は、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口にお問い合わせください」と案内してる(厚生労働省)。

パパ

会社の健保組合や協会けんぽなら、住所が変わっても保険者は同じだから申請先も変わらない。でも国民健康保険は保険者が市区町村だから、国保のまま別の市区町村へ移ると保険者ごと変わって、申請先も転入先の国保窓口になるんだ。うちは被用者保険だからそのままだけど、国保の人はここが動くよ。

ママ

ここまでの話だけでも、けっこうな金額が動くのね。うちの場合はいくらになるのかな。

パパ

転居の時期しだいで数十万円が動くよ。ただし実際にいくらになるかは、住む自治体・子どもの人数・年齢・世帯年収によって変わるんだ。30秒の無料診断(登録不要)なら、転居先の候補を入れ替えながら、18歳までに受け取れる支援の総額を自治体ごとに試算できるよ。

東京都から出るときは、何を確認すればいい?

ママ

都外に引っ越す場合、特に見ておくべきものはある?

パパ

まず018サポートだね。都内在住の0歳から18歳までの子供に一人あたり月額5,000円を支給する都の制度で、所得制限はないよ(東京都018サポート)。

年度の途中で転出入した場合は、都のQ&Aに「都内に在住していた月数に応じて、支給額が決定されます。各月1日時点での在住状況を確認します」と書かれてる(018サポート よくある質問)。まるごと消えるわけじゃなくて、月割りなんだ。

ママ

転出した月の分は、もらえるの? もらえないの?

パパ

都が具体例まで出してるよ。「6月10日に都内から都外に転出した場合には、4月~6月の3か月分(15,000円=5,000円×3カ月)が支給されます」「8月10日に都外から都内に転入した場合には、9月~3月の7か月分(35,000円=5,000円×7カ月)が支給されます」(018サポート よくある質問)。

読み解くと、判定は各月1日時点にどちらにいたか。6月10日に出れば6月1日はまだ都内だから6月分まで出るし、8月10日に入っても8月1日は都外だから9月分からになる、ということだね。

ちなみに同じQ&Aに「都内で転居した場合には支給額に影響はありません」とも書かれてる(018サポート よくある質問)。都内どうしの引っ越しなら、ここは気にしなくていいよ。

ママ

これって、生まれた日そのものにも関係してくるってこと?

パパ

するよ。都は転入と出生を同じ扱いで例示してるんだ。「令和8年6月1日に転入(または出生)の場合、6月~3月までの10か月間」「令和8年6月2日に転入(または出生)の場合、7月~3月までの9か月間」と公表されてる(東京都018サポート)。

同じ6月生まれでも、1日か2日かで1か月分=5,000円ちがう計算になるね。出産日は選べるものじゃないけど、転出入の日付は選べる。月の1日をまたぐかどうかだけは、引っ越しの日取りを決めるときに見ておこう。

ママ

妊婦健診の受診票は、引っ越し先でもそのまま使えるの?

パパ

ここが母子健康手帳といちばん違うところだよ。都は「東京都内で発行した受診票は、原則、東京都内の妊婦健康診査の契約医療機関及び契約助産所のみで、使用できるものです」としていて、さらに「都外へ転出する場合には、都内区市町村で作成された受診票は使用できませんので、交付を受けた区市町村へ返却してください」と明記してる(東京都福祉局)。都外へ出るなら、転入先で交付を受け直すことになるね。

パパ

都内の引っ越しでも、そのまま使えると言い切られてはいないんだ。同じページに「都内で転入・転出する場合は、転入前後の区市町村に妊婦健康診査の受診票の使用について、必ずお問い合わせ下さい」とあって、都が問い合わせを求めてる(東京都福祉局)。超音波検査の助成回数が区市町村ごとに違うのが理由で、都は「超音波検査の助成回数は区市町村によって異なるため、お住まいの区市町村へお問い合わせ下さい」とも書いてるよ(東京都福祉局)。あとで出てくる乳児健診の受診票は都内転出でもそのまま使えるんだけど、妊婦健診は扱いが違うから混同しないでね。ただ確認と言っても答えを公表してる区はあって、そこはこのあと葛飾区の例で見るよ。

パパ

ちなみに引っ越しじゃなくて里帰り出産の場合は、都が「里帰り出産などで都外の医療機関で受診する場合に、里帰り受診等による費用の一部について助成が受けられます」としてるよ(東京都福祉局)。住民票を動かさないなら、返却じゃなくて後から払い戻す話になるんだ。

気をつけたいのは全額じゃなくて費用の一部だってこと。都は同じ箇所に「詳しくはお住まいの区市町村へお問い合わせください」と添えていて、上限額までは書いていない(東京都福祉局)。いくら戻るかは区市町村の案内で決まるよ。

パパ

都内での転入なら扱いは軽いよ。葛飾区は都内からの転入者について、妊婦超音波検査受診票を追加で渡したうえで受診票はそのまま使えると案内してる。一方で都外からの転入者には「都外で妊婦健康診査受診票の交付を受けた方は、前住所地で公費負担を何回受けたか確認し、都内で使用できる妊婦健康診査受診票と交換します」としてるんだ(葛飾区)。

ママ

その交換の手続きって、何を持っていけばいいの?

パパ

持ち物も同じページに書いてあるよ。葛飾区は「母子健康手帳、お名前と住所を確認できるもの(運転免許証やマイナンバーカードなど)及び前住所地の妊婦健康診査受診票一式をお持ちになり、各保健センターにお出でください」としてる(葛飾区)。

行き先にも注意してね。同じページに「区役所、区民事務所では、転入された方の妊婦健康診査受診票の追加交付・交換のお取り扱いはございません」と注記があるんだ(葛飾区)。転入届のついでに済ませられるとは限らないから、保健センターへ行く日も引っ越しの予定に入れておこう。

引っ越したあと、15日以内にやることは?

ママ

引っ越したあと、急がなきゃいけない手続きってある?

パパ

児童手当の申請だけは急いでね。これは自治体ごとの案内じゃなくて、国が全国共通で決めてるルールなんだ。

こども家庭庁は「転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に転入先の市区町村へ申請が必要です」と公表してる。生まれたときも同じで「出生の日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村に申請が必要です」だよ(こども家庭庁)。

引っ越しと出産が近いと、転入届・出生届・児童手当の申請が一度に来るから、ここが抜けやすいところなんだ。

ママ

うっかり15日を過ぎちゃったら、どうなっちゃうの?

パパ

遅れた月の分は、あとから取り戻せないんだ。こども家庭庁も「申請が遅れると、原則、遅れた月分の手当を受けられなくなりますので、ご注意ください」と明記してるよ(こども家庭庁)。

しくみを整理するとこうなる。児童手当は原則、申請した月の翌月分から支給される。そのうえで「出生日や転入した日(異動日)が月末に近い場合、申請日が翌月になっても異動日の翌日から15日以内であれば、申請月分から支給します」という特例が用意されてるんだ。だから月末の引っ越しで手続きが翌月に回っても、15日以内に収めれば1か月分が守られるよ(こども家庭庁)。

ママ

受け取れなくなる1か月ぶんって、いくらくらいなの?

パパ

児童手当の額は、3歳未満が1人あたり月15,000円(第3子以降は30,000円)、3歳以上高校生年代までが月10,000円(第3子以降は30,000円)と公表されてる(こども家庭庁)。

うちは第一子だから、生まれたあとは3歳未満の15,000円。手続きが1か月遅れると、その15,000円は戻ってこない計算になるね。ここまで見てきた基準日の話は「どの自治体からもらうか」だったけど、この15日だけは「もらえるか、消えるか」の話なんだ。引っ越しの予定日が決まったら、カレンダーに書き込んでおこう。

子ども医療証や予診票は引き継げるの?

ママ

妊婦健診の受診票は分かったけど、生まれたあとの書類はどうなるの?

パパ

生まれたあとに気にするのは3つ。乳児健康診査の受診票・受診券、予防接種の予診票、それに子ども医療証だね。全部が一律に出し直しというわけじゃなくて、都内の引っ越しか都外へ出るのかで扱いが分かれるものもあるんだ。ここまでの書類とまとめて、転出するとき・転入するときで並べてみるね。

書類 転出するとき 転入するとき 確認した自治体・出典
母子健康手帳 そのまま持っていく 作り直しは不要 厚生労働省葛飾区世田谷区
妊婦健康診査受診票 都内転出は転入前後の区市町村へ要問い合わせ/都外転出は交付を受けた区市町村へ返却 都外からの転入は都内で使える受診票と交換 東京都福祉局葛飾区
乳児健康診査の受診票・受診券 都内転出は1か月児健診の受診票をそのまま使える(令和8年10月〜)/都外転出は使えない 都外からの転入・未受診分は転入先へ連絡して交付を受ける 東京都福祉局港区世田谷区
予防接種の予診票 転出すると旧自治体発行の予診票は使えない 転入先へ発行を申請(母子健康手帳の接種記録で確認) 江戸川区千代田区港区世田谷区
子ども医療証 返却と受給資格消滅届(港区) 港区は15日以内、千代田区は3か月以内に申請 港区千代田区

パパ

表の上から見ていくね。乳児健診について港区は「港区に転入してきた方等で、下記乳幼児健康診査を受けていない方は、みなと保健所健康推進課地域保健係」まで連絡してほしいと案内してる(港区)。

3・4か月児健康診査の受診券は「2か月頃に住民票のあるご住所に郵送します」ものだから、ちょうどその時期に転居していると手元に来ないんだ(港区)。

世田谷区も問い合わせの案内に「受診票が届かない、通知時期を過ぎて転入した、受診票の紛失等」を並べてるよ(世田谷区)。

ママ

その受診票、引っ越し先ではもう使えないの?

パパ

乳児健診はここが妊婦健診と違うところで、都内か都外かで分かれるんだ。都は1か月児健康診査について「都内の他の区市町村へ転出された場合には、受診票をそのまま使用できます」としたうえで、「都外へ転出する場合には、都内区市町村から交付された受診票は使用できませんので、転出先の自治体にお問い合わせください」と書いてる(東京都福祉局)。返却してくださいとは書かれていなくて、都内の引っ越しなら手続きなしでそのまま使えるんだよ。

産後のママが受ける産婦健康診査の受診票も、都は同じ書き方で案内してる(東京都福祉局)。

パパ

ひとつ時期に注意してね。この受診票での助成は「令和8年10月1日以降に1か月児健康診査を受診する方が対象」と書かれてるから、それより前に受ける分はこの扱いの外だよ(東京都福祉局)。

それと、都内共通の受診票で助成されるのは1か月児健診と産婦健診で、さっきの3・4か月児健診みたいに区市町村が自前で出してる受診券は別なんだ。そっちは転入先に連絡して未受診分を出してもらう流れになるよ。

ママ

予防接種の予診票も、黙ってても送り直してもらえるの?

パパ

そこは申請が要るよ。港区は紛失した場合や「転入した時点で上記の表における予診票送付月齢を過ぎている場合」は予防接種予診票コールセンターへ申請してほしいとしてる(港区)。

世田谷区も「転入や紛失により、お子さんの予防接種予診票が手元にないとき、予診票の発行を申請できます」と案内してるね(世田谷区)。

どちらも何を接種済みかは母子健康手帳の記録で確認する流れで、港区は「母子健康手帳(親子手帳)等の予防接種の記録をご確認の上」申請してと書いてる(港区)。手帳をそのまま持っていけることが、ここで効いてくるんだよ。

ママ

前に住んでた区の予診票は、もう使えないってこと?

パパ

使えないんだ。江戸川区は転入者向けの案内で「江戸川区に転入後、予防接種の費用助成を受けるには、江戸川区が発行した予防接種予診票が必要です」としたうえで、「前自治体で発行された予防接種予診票は使用できません」と注記してる(江戸川区)。

千代田区も「千代田区で定期予防接種を受けるには、千代田区発行の予診票が必要となります」と書いてるよ(千代田区)。つまり転出した時点で、手元に残ってる予診票は転入先では通らなくなる。乳児健診の受診票が都内転出ならそのまま使えるのとは違って、予診票は都内の引っ越しでも出し直しになるから、荷造りの前に手帳の接種記録を見て未接種の分を数えておこうね。

ママ

子ども医療証は、転入先でまた申請し直すの?

パパ

そうだし、転出のときは返す必要もあるんだ。港区は「子ども医療証を受けている人で次に該当する場合は、子ども医療証の返却及び子ども医療費助成受給資格消滅届の提出が必要です」として、その1つ目に「子どもが港区から転出したとき。」を挙げてる(港区)。

転入先での申請は期限つきだよ。港区は「出生、転入日から15日以内に子ども給付係へ郵送」などの方法で申請してほしいとしていて、「出生・転入日から15日以内に申請した場合は、出生・転入日から資格が発生します」と書いてる(港区)。

ママ

15日を過ぎたら、その間の医療費は自己負担になっちゃうの?

パパ

扱いは区で違うんだ。千代田区は「出生、転入日の翌日から3か月以内に」申請してくださいとしたうえで、「児童の出生・転入日の翌日から3か月経過以降の医療証交付申請の場合、医療費の助成開始が申請日の属する月の1日からとなることがあります」と注意書きを出してる(千代田区)。

たとえば4月10日に千代田区へ転入して申請が8月20日になると、4月10日まで遡らず8月1日からの助成になることがある、という書き方だね。港区の15日、千代田区の3か月と、期限も遡りの扱いも区でバラバラだから、転入届と同じ日に医療証の申請も出してしまうのがいちばん確実だよ。

ママ

持っていけるものと出し直すもの、どう覚えればいい?

パパ

ここは東京だけの話でもないんだ。こども家庭庁の手引きにも、他市町村へ転出予定の妊婦には「交付元の市町村の受診券や補助券は使用できなくなるため、転出先の市町村担当部署へ早めに連絡をするよう伝えます」と書かれてる(こども家庭庁 母子健康手帳の交付・活用の手引き・PDF)。

だから整理するとこうなるよ。母子健康手帳は市区町村をまたいでもそのまま持っていける。券のほうは交付元の市区町村を出ると使えなくなるのが基本で、予防接種の予診票と子ども医療証は都内の引っ越しでも出し直し。例外が都内共通で助成される1か月児健診・産婦健診の受診票で、これだけは都内転出ならそのまま使える。妊婦健診の受診票は都外転出なら返却、都内なら転入前後の区市町村に確認という中間の扱いだね。都内の引っ越しか都外へ出るのかで分けて考えれば迷わないよ。

結局、窓口には何を聞けばいい?

ママ

自治体に電話するとして、具体的に何を聞けばいいの?

パパ

3つで足りるよ。この記事で確認できたのは国・都の制度と、要件を直接確認できた一部の区の制度だけだから、住む候補が決まったらこの3点を転居元・転居先の両方に聞いてみてね。

  1. この給付は、いつ時点の住所(住民登録)が基準になりますか。 出生日か、申請日か、届出を受理した日かで結論が変わるよ。
  2. 継続して居住している期間の要件はありますか。 千代田区・港区みたいに「1年以上」を求める制度があるんだ。
  3. 出生後や転入後でも申請できますか。申請期限はいつまでですか。 千代田区の2年間、港区の1年以内、目黒区の3か月以内みたいに、期限は制度ごとにバラバラなんだ。

ママ

逆に、聞かなくても分かることってあるの?

パパ

けっこうあるよ。国の妊婦のための支援給付の転出入の扱いと申請先、児童手当の15日以内という期限、018サポートの月割り、赤ちゃんファーストの出生日時点という要件。それに子ども医療証と予診票の交付し直しや、受診票が都内転出と都外転出で分かれること。ここまで見てきたぶんはもう公表されてるから、窓口の回答を待たなくても引っ越しの計画に組み込めるんだ。

制度そのものを覚える必要はなくて、「いつ時点の住所か」を聞くという一点だけ押さえておけば大丈夫。あとは転居予定日と出産予定日を並べて、どの線をまたぐかを見るだけだよ。分からないところは一緒に電話して聞こう。